シンポジウム
2026年1月22日〜23日、一般社団法人日本マイクロクレデンシャル機構等の主催のもと、ハイブリッド形式(東京・オンライン)にて国際協働シンポジウム・ワークショップ「世界で進展するスキルの体系化とマイクロクレデンシャル」が開催され、2日間で約230名が参加しました。
開催概要
| 日時 | 2026年1月22日(木) 14:00〜18:00 / 1月23日(金) 10:00〜12:30 |
|---|---|
| 場所 | 関西大学東京センター、千葉大学墨田サテライトキャンパス、およびZoomによるハイブリッド開催 |
| 主催 | 一般社団法人日本マイクロクレデンシャル機構、科研費基盤研究(B)「アジア太平洋地域の大学ネットワークにおけるマイクロクレデンシャル運用の実証研究」、JIGE/関西大学、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会 |
シンポジウム全体の要約
本シンポジウムでは、急速に変化する労働市場において評価軸が「学位(Degree)」から「スキル(Skills)」へ移行する中、マイクロクレデンシャル(MC)が果たす役割とその課題について国際的な視点から議論が行われました。「Skills First(スキル第一)」の社会へ向けた世界的な潮流が確認される一方、MCの定義の曖昧さが課題となっており、信頼性と透明性を確保するための「調和(Harmonisation)」が必要であると強調されました。
また、オーストラリアやタイにおける国家レベルの取り組み、日本におけるMCの制度化やオーブンバッジを活用した企業のDX人材育成事例が報告されました。各国の多様性を尊重しつつ国際的な相互運用性を実現するため、共有可能なグローバル・アーキテクチャの重要性が示されました。
重要論点の考察
1. 「スタッカブル(積み上げ)」モデル形成の在り方
現状の「積み上げ可能な証明」は単一の大学内に留まりがちです。真のスタッカブルを実現するためには、以下の要素が推奨されています。
- 相互運用性(Interoperability):共通の枠組みに基づき、他機関のMCをブロックのように組み合わせ可能にすること。
- モジュール化とパスウェイの明示:既存プログラムを分割するだけでなく、学位への「入り口」としてMCを設計し、単位認定をスムーズに行うこと。
- 質保証の共通言語化:学習時間ではなく「コンピテンシー(何ができるようになったか)」ベースで評価基準を統一すること。
2. 日本における「Skills First」概念の導入手順
日本はスキルに直結した国家資格枠組み(NQF)が未整備であるため、以下の現実的・効果的なアプローチが提案されました。
- 既存ネットワーク内での「調和」と「枠組み作り」(ボトムアップ):JMICRO等で、定義の統一や品質基準の合意、国際標準と紐づいたスキルの共通言語を採用する。
- JEQF(日本教育資格枠組み)の活用:MCをJEQFのレベルに位置づけ、高等教育における透明性の高い「ものさし」を確立する。
- 政府支援によるスケールアップと産業実装:企業内での社内評価との連動を広げ、政府が定めた品質基準を追認することで、可視化されたスキルが労働市場共通の「通貨」となるよう支援する。
当日の様子
